68歳の男性。労作時の前胸部圧迫感を主訴に来院した。半年前から早足で歩くときなどに前胸部圧迫感を自覚していた。症状は咽頭部から顎にかけての詰まる感じを伴うが、安静により3分程度で良くなるので医療機関は受診していなかった。3週前から軽労作でも症状が生じるようになり、生活が制限されるようになってきた。今朝8時には、朝食後に症状が出現し10分程度続いた。同時に一過性の眼前暗黒感も生じたため受診した。

意識は清明。身長 168 cm、体重 68 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 150/88 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。胸部の聴診でⅡ音の奇異性分裂、Ⅲ音およびⅣ音を認め、胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅣ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部に異常を認めない。

血液所見:赤血球443万、Hb 14.4g/dL、Ht 41%、白血球 4,800、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 1.2 mg/dL、AST 56 U/L、ALT 48 U/L、LD 222 U/L (基準 176~353)、ALP 356 U/L(基準 115~359)、γ-GTP 50 U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 118 U/L(基準 37~160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL。Na 138 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。胸部エックス線写真で左第1弓の軽度の突出を認める。心電図は心拍数78/分の洞調律で左室高電位の所見を認める。呼吸機能検査で異常を認めない。

次に行うべき検査はどれか。

a. 心エコー

b. 胸部造影CT

c. Holter心電図

d. 運動負荷心電図

e. 心臓カテーテル検査

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)