70歳の男性。下腿の皮疹を主訴に来院した。約3週間前に両下腿に皮疹が出現し、一過性に両膝関節痛と腹部の疝痛があった。数日前から皮疹が増悪したため受診した。

身長 168 cm、体重 57 kg。体温 36.8 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 150/82 mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両下腿に皮疹を認める。両側の足背に軽度の浮腫を認める。

尿所見:蛋白1+、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1 視野、尿蛋白 1.8 g/日。血液所見:赤血球 420 万、Hb 12.2 g/dL、Ht 36 %、白血球 9,400(分葉核好中球 64 %、好酸球3%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球 25 % )、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、尿素窒素 32 mg/dL、クレアチニン 1.5 mg/dL。免疫血清学所見:抗核抗体陰性、MPO-ANCA陰性。尿中 Bence-Jones 蛋白陰性。診断のため腎生検を行った。下腿の皮膚所見、腎生検のPAM染色標本及び蛍光抗体 IgA 染色標本を別に示す。

この患者で正しいのはどれか。

a. 腎機能の予後が悪い。

b. 消化管出血は起こらない。

c. 心電図異常を高率に合併する。

d. 皮膚生検で真皮深層に IgG が沈着する。

e. 悪性腫瘍のスクリーニングが必要である。

問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)