70 歳の男性。息苦しさを主訴に来院した。1か月前から農作業の途中で息切れを自覚するようになり、1週間前から就寝中に息苦しさで目が覚め、しばらく座っていると呼吸が楽になることが何度かあった。2日前から就寝中の息苦しさが増悪するため受診した。

意識は清明。体温 36.5 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 112/90 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 94 %(room air)。頸静脈の怒張を認めない。胸部の聴診でⅡ音の奇異性分裂、Ⅲ音およびⅣ音を認め、胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅣ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取し、頸部への放散を認める。両側の下胸部に吸気時の coarse crackles を聴取する。下腿に軽度の浮腫を認める。

この患者で予想される所見はどれか。

a. 脈圧の開大

b. 大腿静脈の怒張

c. 脈波伝達速度の亢進

d. 頸動脈波の鈍い立ち上がり

e. 足関節上腕血圧比<ABI>の低下

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)