65 歳の男性。大腸癌の手術後で入院中である。2週間前に右腹部の腫瘤と疼痛とを自覚して受診した。

来院時、身長 165 cm、体重 64 kg。脈拍 64/分、整。血圧 140/88 mmHg。右側腹部に可動性のある径5cm の腫瘤を触知した。腹部 CT で上行結腸の不整な壁肥厚と上腸間膜静脈周囲のリンパ節腫大を認め、大腸内視鏡検査と生検で上行結腸癌と診断された。入院後、リンパ節郭清を伴う右半結腸切除術が行われた。

現在、手術終了から 16 時間が経過している。脈拍 104/分、整。血圧 108/80 mmHg。腹部は軟だが、やや膨隆している。腸雑音は低下している。16 時間尿量 560 mL、尿比重 1.020。経鼻胃管からの 16 時間排液量は 1,200 mL で性状は淡黄色混濁である。

行うべき処置はどれか。

a. 輸液の増量

b. イレウス管挿入

c. 制吐薬の静脈投与

d. 利尿薬の静脈投与

e. ソマトスタチン誘導体の皮下投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)