64歳の女性。左下腿の腫脹と疼痛のために救急車で搬入された。3日前から左足部が腫脹し、本日は下腿全体に広がって動けなくなったため救急車を要請した。最近の外傷歴はない。昨日からは倦怠感が強く、食事を摂れていない。健診で糖尿病の可能性を指摘されていたが、治療は受けていなかった。意識はやや混濁。

身長 154 cm、体重 72 kg。体温 38.4 ℃。心拍数 112/分、整。血圧 98/64 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 %(room air)。腹部は平坦、軟。左下腿に発赤、熱感および握雪感を伴う腫脹がある。

尿所見:蛋白 1+、糖 3+、ケトン体 2+、潜血 1+、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 16,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 50%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 12%)、血小板 41 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 2.6 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 28 U/L、 ALT 16 U/L、 LD 177 U/L(基準 176〜353)、 ALP 285 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 132 U/L(基準 8〜50)、アミラーゼ 50 U/L(基準 37〜160)、CK 242 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 48 mg/dL、クレアチニン 1.6 mg/dL、尿酸 7.9 mg/dL、血糖 398 mg/dL、HbA1c 8.8 %(基準 4.6〜6.2)、Na 141 mEq/L、K 5.4 mEq/L、Cl 97 mEq/L。CRP 18 mg/dL。下腿の写真と左下腿CTとを示す。

直ちに行うべき処置はどれか。

a. 局所切開

b. 利尿薬投与

c. 外用抗菌薬塗布

d. アドレナリン静注

e. ステロイドパルス療法

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)