3歳の男児。発熱と下肢痛とを主訴に両親に連れられて来院した。1か月前に左足をひねって疼痛を自覚した。その後右下肢の疼痛も訴えるようになった。2週間前に 38 ℃台の発熱が出現し、両下肢の疼痛も増強した。かかりつけ医を受診して抗菌薬を内服したが、発熱が持続している。

身長 103 cm、体重 17 kg。体温 37.5 ℃。脈拍 128/分、整。血圧 106/70 mmHg。皮膚に紫斑を認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。表在リンパ節は触知しない。下肢に関節腫脹や可動域制限を認めない。

血液所見:赤血球 402 万、Hb 11.1 g/dL、Ht 33%、網赤血球 1.8%、白血球 3,400(桿状核好中球 3%、分葉核好中球 8%、好酸球 1%、単球 4%、リンパ球 84%)、血小板 6.0 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 4.4 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、直接ビリルビン 0.1 mg/dL、AST 27 U/L、ALT 19 U/L、LD 741 U/L(基準 335〜666)、ALP 456 U/L(基準 307〜942)、CK 60 U/L(基準 59〜332)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.3 mg/dL、尿酸 5.5 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 101 mEq/L、Ca 11.0 mg/dL、P 6.0 mg/dL。CRP 1.2 mg/dL。両下肢エックス線写真で異常を認めない。骨髄血塗抹 May-Giemsa 染色標本を示す。

可能性が高い疾患はどれか。

a. 骨髄炎

b. 骨肉腫

c. 急性白血病

d. 再生不良性貧血

e. 血球貪食症候群

解答を見る
問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)