65歳の女性。2年前から物の名前や言葉が思い浮かばず、ろれつも回りづらくなり、会話がたどたどしくなってきた。1年前から徐々に右手の動きがぎこちなくなり、ボタン掛けや箸使いが困難になってきた。最近、右手が勝手に動き、自分の意志では制御できなくなってきたため受診した。

意識は清明。身長 153 cm、体重43 kg。体温 36.1 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 118/68 mmHg。改訂長谷川式簡易知能評価スケール 19 点 (30 点満点)、Mini-Mental State Examination<MMSE>22 点 (30 点満点)。発語は努力性で非流暢であり、発音も明瞭ではないが、言語理解は保たれている。右上肢には衣服をまさぐるような動きが断続的にみられ、制止を指示すると自らの左手で右手を抑制する。右上肢には高度の筋強剛がみられるが、左上下肢の筋緊張は正常である。筋萎縮や振戦は認めない。四肢の腱反射は正常で、Babinski 徴候を認めない。歩行では右下肢の振り出しに遅れがみられる。頭部MRIのT1強調冠状断像を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a. Parkinson 病

b. 前頭側頭型認知症

c. Alzheimer 型認知症

d. 特発性正常圧水頭症

e. 大脳皮質基底核変性症

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)