30歳の女性。発熱、全身倦怠感と悪心を主訴に来院した。15歳時に全身性エリテマトーデス<SLE>とループス腎炎(WHO 分類Ⅳ型)を発症し、数度の再燃を繰り返していた。3週間前の定期受診時には、症状、身体所見および検査上に異常を認めず、プレドニゾロン 5 mg/日、アザチオプリン 100 mg/日の内服継続を指示された。5日前に発熱、悪心および左腰背部痛が出現し、自宅近くの医療機関を受診した。尿所見:蛋白 1+、潜血 1+、白血球 3+、細菌 3+。血液所見:白血球12,000。CRP 8.8 mg/dL。尿路感染症と診断され、レボフロキサシンを内服し、2日後に解熱した。しかし、昨日から全身痛と悪心が出現したため受診した。

最終月経は 10 日前から 5 日間。意識は清明。体温 37.6 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 88/50 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 99 % (room air)。皮膚粘膜疹を認めない。Jolt accentuation を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。関節腫脹や可動域制限を認めない。肋骨脊柱角の叩打痛を認めない。

尿所見:蛋白 (-) 、白血球 1〜4 /HPF、赤血球 1〜4 /HPF、細菌 (-) 。血液所見:白血球 4,500。血液生化学検査:尿素窒素 14 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 77 mg/dL、Na 124 mEq/L、K 5.1 mEq/L、Cl 92 mEq/L、TSH 1.2 μU/mL (基準 0.5〜5.0)、FT4 1.0 ng/dL (基準 0.9〜1.7)。CRP 3.1 mg/dL。自宅近くの医療機関での血液培養の結果は セット陰性であった。生理食塩液の輸液を開始した。

次に行うべき対応はどれか。

a. フロセミドの静注

b. アザチオプリンの増量

c. 甲状腺ホルモンの補充

d. カルバペネム系抗菌薬投与

e. ヒドロコルチゾン静脈内投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)