68歳の女性。全身倦怠感、皮疹および四肢の脱力を主訴に来院した。 3か月前から露光部皮膚に紅斑が出現した。3週間前から全身倦怠感が出現し、起床、起立および上肢挙上に困難を感じるようになった。1週間前から全身に皮疹が拡大し、食思不振も出現したため受診した。

体温 37.3 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 122/88 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 % (room air)。上眼瞼および前額部に紅斑を認める。体幹など広範囲に鱗屑を伴った紅斑を認め、一部にびらんや痂皮を認める。口腔粘膜に異常を認めない。心音に異常を認めない。両側胸部に fine crackles を聴取する。頸部屈筋、四肢近位筋は徒手筋力テストで4

尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 416 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 39%、白血球 7,400 (好中球 70%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 13%、リンパ球 14%)、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、AST 137 U/L、ALT 55 U/L、LD 421 U/L (基準 176〜353)、尿素窒素 17 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、CK 2,010 U/L (基準 30〜140)。免疫血清学所見:CRP 1.1 mg/dL、抗核抗体陰性、抗 Mi-2 抗体陰性、抗 MDA 抗体陰性、抗 TIF1-γ 抗体陽性。胸部 CT で両側肺底部背側胸膜直下に限局した軽度の線維化病変を認める。手指および下肢の皮疹を別に示す。

この患者で最も併発しやすいのはどれか。

a. 悪性腫瘍

b. 指尖潰瘍

c. 異所性石灰化

d. 多発単神経炎

e. びらん性関節炎

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)