Aちゃん(5歳、女児) は、両親と妹(3歳) の4人家族である。4歳時に気管支喘息と診断された。2歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。

6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。


A ちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温 36.9 ℃、呼吸数 36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>92 % であった。

A ちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。

1. 小発作

2. 中発作

3. 大発作

4. 呼吸不全

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救急外来で気管支拡張薬の吸入が行われたが、吸入後も呼吸数 32/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>94 % であったため入院することになった。入院後、鼻カニューレによる酸素投与と点滴静脈内注射が開始され、1日3回のステロイド薬の静脈内注射と1日4回の気管支拡張薬の吸入が開始された。翌日、酸素投与は中止された。バイタルサインは、体温 36.8 ℃、呼吸数 22/分、心拍数 94/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>97 %。聴診で喘鳴が聴取された。A ちゃんは「楽になった」と話し、笑顔が見られるようになった。

この時の A ちゃんへの看護で適切なのはどれか。

1. 排痰を促す。

2. 胸式呼吸を促す。

3. 水分摂取を控える。

4. ベッド上安静とする。

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気管支喘息による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。A ちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、A ちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。

看護師の A ちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。

1. 「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」

2. 「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」

3. 「咳が出なくなったら薬はやめましょう」

4. 「部屋の空気の入れ替えはやめましょう」

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