問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
65歳の男性。血尿を主訴に来院した。3か月前から時々血尿を自覚していたが、自然に消失していたため医療機関を受診していなかった。2日前から血尿が持続するため受診した。喫煙は20本/日を45年間。飲酒はビール350mL/日を20年間。
身長165 cm、体重90kg。血圧160/100mmHg。尿沈渣に赤血球多数/1視野、白血球5~10/1視野。尿細胞診はクラスⅤ。膀胱内視鏡像を別に示す。脊髄くも膜下麻酔下で経尿道的膀胱腫瘍切除を行った。病理所見では尿路上皮癌pTaと上皮内癌とを認める。術後1か月目に施行した尿細胞診でもクラスⅤであった。
この患者の治療として適切なのはどれか。
a. 膀胱全摘術
b. 放射線療法
c. 抗癌化学療法
d. 分子標的薬投与
e. BCG 膀胱内注入療法
膀胱癌(上皮内癌)に対するBCG膀胱内注入療法により、80~90%で癌が消失する。