問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
22歳の男性。炎天下での道路工事の作業中に頭痛と悪心が出現し、会社の車で来院した。建設作業員。17歳時に自然気胸のため入院している。家族歴に特記すべきことはない。
意識レベルはJCSⅠ-1。身長172cm、体重57kg。体温38.9℃。脈拍124/分、整。血圧96/48mmHg。呼吸数12/分。発汗なし。体幹部から末梢にかけて熱感を認める。瞳孔径は両側4mmで対光反射は正常である。臥位で頸静脈の虚脱を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。輸液を受け、症状は軽快した。
同じ勤務に復帰する上で適切な指導はどれか。
a. 塩分の摂取を控える。
b. 短時間の作業から開始する。
c. 冷房の効いた屋内で過ごすことは避ける。
d. 通気性を抑えた作業服の着用を推奨する。
e. 水分は少ない回数で一度に大量に摂取する。
熱中症である。