72歳の女性。貧血を主訴に来院した。自宅近くの診療所で糖尿病の治療中、貧血を指摘され、鉄剤の投与を受けたが改善しないため精査目的で受診した。

来院時、意識は清明。身長 160 cm、体重 64 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 142/82 mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、腸雑音に異常を認めない。

血液所見:赤血球 390万、Hb 9.6 g/dL、Ht 30%、白血球3,700、血小板 29万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 23 U/L、ALT 25U/L、LD 129 U/L(基準 120~245)、ALP 112 U/L(基準 38~113)、γ-GT 16 U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 54 U/L(基準 37~160)、尿素窒素 11.5 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、血糖 145 mg/dL、総コレステロール 179 mg/dL、トリグリセリド 176 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 101 mEq/L、CEA 10.8 ng/mL(基準 5以下)。CRP 0.2 mg/dL。下部消化管内視鏡検査を行ったところ、肛門縁から約45cmに腫瘍を認め、生検で腺癌と診断された。腹部造影CT検査を予定した。

この患者の手術適応を判断するために腹部造影CTで確認すべき所見はどれか。3つ選べ。

a. 腹水

b. 肝転移

c. 腸管癒着

d. 内臓脂肪量

e. リンパ節腫大

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)