問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
41歳の男性。職場の定期健康診断で白血球増多を指摘されたため来院した。1年前の健診でも軽度の白血球増多を指摘されていた。
眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節と鎖骨上リンパ節とに腫大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で脾を左季肋下に10cm触知する。下腿に浮腫を認めない。
血液所見:赤血球466万、Hb 14.7g/dL、Ht 44%、網赤血球1.4%、白血球51,600(骨髄芽球1.5%、骨髄球6 %、後骨髄球9.5%、桿状核好中球19.5%、分葉核好中球45.5%、好酸球3%、好塩基球7.5%、単球2%、リンパ球 6%)、血小板37万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、AST 18IU/L、ALT 15IU/L、LD 601IU/L(基準176~353)。CRP 0.2mg/dL。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本と骨髄血染色体分析とを別に示す。
この患者で考えられる所見はどれか。
a. 尿酸低値
b. 高Ca血症
c. ビタミンB12低値
d. エリスロポエチン低値
e. 好中球アルカリフォスファターゼスコア低値
9番染色体と22番染色体の転座。画像では矢印が示されておりヒントになっている。慢性骨髄性白血病〈CML〉の症例です。