問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
45 歳の男性。スポーツジムで運動中に突然の胸やけと吐き気が出現したため救急車で搬入された。
意識は清明。身長 170 cm、体重 70 kg。体温 36.2 ℃。心拍数88/分。血圧 136/96 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 99 %(鼻カニューラ 2 L/分 酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。
血液所見:白血球 7,700。血液生化学所見:AST 75 U/L、ALT 50 U/L、LD 361 U/L(基準 176〜353)、尿素窒素 17 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 6.4 mg/dL、血糖 115 mg/dL、Na 135 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 102 mEq/L、トロポニンT陰性。心電図と胸部エックス線写真とを別に示す。モニター装着や静脈路確保などの処置を行った。
この患者を専門医に引き継ぐまでの間に、特に注意すべき合併症はどれか。3つ選べ。
a. 洞停止
b. 心室細動
c. 上室性期外収縮
d. 完全房室ブロック
e. 発作性上室性頻拍
急性心筋梗塞。II、III、aVF誘導のST上昇。下壁梗塞が疑われる。
致死的な合併症を選ぶ問題。
a.b.dは致死的。
c.eは起こり得るが、特に注意すべきとは言い難い。