問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
68歳の男性。白血球数増加の精査を目的に来院した。
4年前から風邪をひきやすくなった。右頸部に径1.5cmのリンパ節1個と左肘部に径2cm のリンパ節1個とを触知する。脾を左肋骨弓下に4cm 触知する。
血液所見:赤血球 302 万、Hb 9.2 g/dL、Ht 30 %、白血球 30,500(桿状核好中球3%、分葉核好中球3%、単球6 %、リンパ 球 88 %)、血小板19万。血液生化学所見:IgG 320 mg/dL(基 準 960〜1,960)、IgA 34 mg/dL(基準 110〜410)、IgM 46 mg/dL(基準 65〜350)。末梢白血球表面抗原は CD5、CD20及びCD23が陽性である。血清蛋白電気泳動でM蛋白を認めない。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を示す。
最も考えられるのはどれか。
a. マクログロブリン血症
b. 慢性リンパ性白血病
c. 急性リンパ性白血病
d. 成人 T 細胞白血病
e. 慢性骨髄性白血病
Bリンパ球系のマーカーが陽性。末梢血塗抹にて異常リンパ球を認める。緩徐な経過であることから慢性リンパ性白血病と思われる。