問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
21歳の男性。奇妙な行動をとるため両親に伴われて来院した。1週間前に大学院の入学試験を受けてから不眠が続いていた。本日朝から駅前のベンチの周りを独り言を言いながら約3時間ぐるぐると回っていたことで警察に保護されたため、両親に伴われて近くの総合病院を受診した。身振りや表情が乏しく、一点を凝視しており視線を合わせようとしない。急ににやにやするかと思うと、おびえたような表情に変わる。黙ったまま何かに聞き入ってうなずく様子がみられ、質問には全く返答することはないが、唐突に「なるほど」「だからか」などとあたかも対話するように短く独語する。これまでに発達や適応上の問題はない。血液生化学所見、頭部 MRI 及び脳波で異常を認めない。
この疾患にみられる症状はどれか。
a. 感覚失語
b. 行為心迫
c. 連合弛緩
d. 小動物幻視
e. 記銘力障害
a 感覚失語 高次脳機能障害の一つである。
b 行為心迫 躁病でみられる。
c 正解。
d 小動物幻視 アルコール依存症でみられる。
e 記銘力障害 認知症等でみられる。