問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
25 歳の男性。倦怠感と四肢の紫斑を主訴に来院した。1か月前から倦怠感、2週前から四肢の紫斑が出現し、改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。
身長 172 cm、体重 58 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 132/82mmHg。胸骨右縁に収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。
血液所見:赤血球 190万、Hb 6.6 g/dL、Ht 19 %、網赤血球 0.7 %、白血球 1,600(好中球 11 %、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 9%、リンパ球 75 %)、血小板 0.7 万。血液生化学所見:総蛋白 6.7 g/dL、アルブミン 4.7 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 29 U/L、LD 154 U/L(基準 120〜245)、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 5.8 mg/dL。骨髄血塗抹 May-Giemsa 染色標本に芽球の増加はなく、3血球系に異形成を認めない。染色体分析では 46, XY。骨髄組織の H-E 染色標本を別に示す。
適応でない薬剤はどれか。
a. シクロスポリン
b. アドリアマイシン
c. 抗胸腺グロブリン
d. 副腎皮質ステロイド
e. トロンボポエチン受容体作動薬
再生不良性貧血の症例。アドリアマイシンは使用しない。