54歳の女性。倦怠感を主訴に来院した。進行卵巣癌のため10日前に外来で薬物による抗癌治療を受けた。その後、水分は多めに摂取するようにしていたという。3日前から倦怠感が出現したため受診した。

意識は清明。脈拍 60/分、血圧 131/86 mmHg。皮膚のツルゴールの低下を認めない。下腹部に径 11cmの腫瘤を触知する。腹水はない。

血液生化学所見:クレアチニン 0.8 mg/dL、尿酸 3.2 mg/dL、Na 124 mEq/L、Cl 102 mEq/L、コルチゾール 6.6 μg/dL(基準 5.2~12.6)。血漿浸透圧は 250 mOsm/L(基準 275~288)で低値、尿浸透圧は 390 mOsmで高値、尿中Naは 45 mEq/Lで高値であった。胸部エックス線写真で心拡大を認めない。

血清浸透圧の低下に対してまず行うのはどれか。

a. 水分の制限

b. 生理食塩液の点滴投与

c. ブドウ糖液の点滴投与

d. 塩化ナトリウムの経口投与

e. カルシウム拮抗薬の経口投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)