42歳の女性。関節痛を主訴に来院した。1年ほど前から眼の乾燥感を自覚していた。自宅近くの眼科を受診し、ドライアイと診断され点眼薬の処方を受けている。3か月前から手のこわばりと両側手指の関節痛を自覚し、症状が改善しないため受診した。

体温 36.5℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/82 mmHg。眼球結膜に充血を認める。舌の乾燥を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右中指近位指節間関節と両側手関節に圧痛を認める。

尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 410万、Hb 13.7 g/dL、Ht 38%、白血球 3,400(好中球 72%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 12%、リンパ球 13%)、血小板 17万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、AST 23 U/L、ALT 25 U/L、γ-GT 34 U/L(基準 850)、尿素窒素 17 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 96 mg/dL、HbA1c 5.4%(基準 4.6~6.2)。免疫血清学所見:CRP 0.3 mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉128 IU/mL(基準 20未満)、抗核抗体 640倍(基準 20以下)。

診断に最も有用な自己抗体はどれか。

a. PR3-ANCA

b. 抗SS-A抗体

c. 抗MDA5抗体

d. 抗dsDNA抗体

e. 抗アクアポリン4抗体

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)