52 歳の男性。貧血を指摘されたことを主訴に来院した。3 日前に少量の下血があり、自宅近くの医療機関で採血を行ったところ貧血を認め、紹介受診した。心房細動、不安障害、脳動脈瘤および慢性便秘症のため通院しており、抗凝固薬、抗不安薬および緩下薬が処方されている。緩下薬の服用で、排便は 2 日に 1 回、普通便である。23 歳時に虫垂切除術の既往がある。脳動脈瘤の経過観察のため頭部 MRAが予定されている。

身長 172 cm、体重 62 kg。体温 36.1 ℃。脈拍 96/分、不整。血圧 126/78 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦で、圧痛はない。肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。上部消化管内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査で異常を認めず、出血源の精査のためカプセル内視鏡を行うこととした。

この患者でカプセル内視鏡を行う際に最も注意が必要なのはどれか。

a. 排便の頻度

b. 腹部手術の既往

c. 抗凝固薬休薬の可否

d. 抗不安薬の内服状況

e. 頭部 MRA の検査予定日

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)