82 歳の女性。傾眠状態のため家族に連れられて来院した。生来健康だったが先月から血尿、口渇、便秘、悪心および食欲不振が出現していた。昨日から傾眠傾向となり増悪するため同居する息子夫婦が自家用車に乗せて連れてきた。
身長 152cm、体重 40 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 142/56 mmHg。呼びかけると開眼するが、すぐに閉眼する。眼瞼結膜は貧血様である。口腔内は著明に乾燥している。頸部と腋窩のリンパ節を触知しない。心尖部を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟。右鼠径部に径約4cm、弾性硬、可動性不良の腫瘤を触知する。
尿所見:赤色調、蛋白1+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1 視野、異型性の強い上皮細胞多数/1 視野。血液所見:赤血球 380 万、Hb 10.8 g/dL、白血球 8,100、血小板 13 万。血液生化学所見:総蛋白 5.1 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 29 U/L、LD 283 U/L (基準 176〜353)、ALP 146 U/L (基準 115〜359)、尿素窒素 23 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、尿酸 11.1 mg/dL、血糖 198 mg/dL、HbA1c 6.4 % (基準 4.6〜6.2)、Na 140 mEq/L、K 3.5 mEq/L、Cl 99 mEq/L、Ca 15.0 mg/dL、P 2.5 mg/dL。
輸液とともに投与すべきなのはどれか。2つ選べ。
a. アルブミン
b. インスリン
c. カルシトニン
d. ビスホスホネート
e. 副腎皮質ステロイド
偽性副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症の症例。