50 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。農業用の共同管理小屋の近くで倒れているのを近所の人が発見し、救急車を要請した。最近、うつ傾向のため自宅近くの医療機関を受診していたという。農作業に従事しており、一人暮らしである。

意識レベルは JCSⅡ-20。身長 165 cm、体重 60 kg。体温 36.0 ℃。心拍数 44/分、整。血圧 98/56 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 %(room air)。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤を認めない。骨格筋の線維束攣縮を認める。腹部に異常を認めない。

尿所見:淡黄色透明、蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 480 万、白血球 6,200、血小板 30 万。血液生化学所見:アルブミン 4.6 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 35 U/L、LD 310 U/L(基準 176〜353)、ALP200 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 25 U/L(基準 8〜50)、コリンエステラーゼ 0 U/L(基準 400〜800)、アミラーゼ 45 U/L(基準 37〜160)、CK 20 U/L (基準 30〜140)、クレアチニン 1.0 mg/dL。動脈血ガス分析(room air):PaCO2 40 Torr、PaO2 98 Torr、HCO3- 24 mEq/L。

治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。

a. ナロキソン

b. ビタミン B1

c. 亜硝酸アミル

d. 硫酸アトロピン

e. ヨウ化プラリドキシム<PAM>

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)