68 歳の女性。異常な言動を心配した夫に伴われて来院した。2か月前から自宅で横になっていることが多くなった。夫によると金銭問題はないにもかかわらず、「所得税が払えない。去年のお盆に先祖供養を十分しなかったからだ」と繰り返し訴えるという。食事量が減り、体重が1か月で5kg 減少した。入浴を嫌がり、夜は眠らず、ぶつぶつ何か言っている。50 歳ごろから高血圧症で内服治療中である。質問には小声で短く答えるが、うつむきがちで返答に時間がかかる。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは 26 点(30 点満点)であった。治療の必要性を説明すると「お金がなくて薬代を払えない」と拒否した。

身長 150 cm、体重 50 kg。神経学的所見に異常を認めない。甲状腺機能を含めた血液検査所見に異常を認めない。

最も考えられるのはどれか。

a. 気分障害

b. 適応障害

c. 症状性精神病

d. 脳血管性認知症

e. 恐怖症性不安障害

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)