問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
30歳の女性。下腹部痛を主訴に来院した。3日前、左下腹部の痛みで目覚めた。 その後、同じ強さの痛みが持続したため本日(月経周期の 17 日目)受診した。今朝から痛みは軽減している。悪心と嘔吐はない。 4週間前に受けた婦人科健診では子宮と卵巣とに異常を指摘されなかったという。最終月経は17日前から5日間。月経周期は 28 日型、整。
身長 160 cm、体重 52 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 72/分、整。 血圧 108/68 mmHg。呼吸数 18/分。腹部は平坦、軟で、筋性防御を認めない。内診で左卵巣に軽い圧痛を認める。子宮と右卵巣には異常を認めない。
血液所見:赤血球 380 万、Hb 10.4 g/dL、Ht 31 %、白血球 5,800、血小板 16 万。血液生化学所見:総蛋白 7.3 g/dL、アルブミン4.3 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 18 U/L、ALT 16 U/L、LD 195 U/L(基準 176〜353)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL。CRP 0.3 mg/dL。妊娠反応陰性。左卵巣の経腟超音波像を示す。
適切な対応はどれか。
a. 経過観察
b. 抗菌薬投与
c. 抗凝固薬投与
d. 囊胞穿刺吸引術
e. 左付属器摘出術
卵巣出血の症例。