問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
35歳の女性。職場の健康診断で肝機能検査の異常を指摘されて来院した。自覚症状はない。昨年も同様の指摘をされたがそのままにしていた。飲酒は機会飲酒。常用薬はなく、自然食品やサプリメントも服用していない。
身長 163 cm、体重 56 kg。体温 36.3 ℃。脈拍 56/分、整。血圧 116/62 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。下肢に浮腫を認めない。
血液所見:赤血球 325 万、Hb 12.0 g/dL、Ht 32 %、白血球 5,300、血小板 27 万、PT-INR 1.0(基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 4.3 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 36 U/L、ALT 42 U/L、ALP 852 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 542 U/L(基準8〜50)、空腹時血糖 85 mg/dL、HbA1c 5.4 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 254 mg/dL、トリグリセリド 95 mg/dL。HBs 抗原陰性、HCV 抗体陰性。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a. 急性胆管炎
b. 自己免疫性肝炎
c. 原発性硬化性胆管炎
d. 原発性胆汁性胆管炎
e. 非アルコール性脂肪性肝炎
a 急性ではない。
b 肝炎であるので肝逸脱酵素が上昇する。
cd 正解
e 肝炎であるので肝逸脱酵素が上昇する。