問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
48歳の女性。尿の泡立ちを主訴に来院した。半年前にネフローゼ症候群を発症し、腎生検で微小変化群と診断された。副腎皮質ステロイドの処方後週間で完全寛解し、4か月前からは投与量を漸減していた。2週間前の外来で、体重 52 kg で浮腫を認めず、尿蛋白 (-)、尿潜血 (-)、血清アルブミン 4.4 g/dL、総コレステロール 210 mg/dL だったため、副腎皮質ステロイドを 10 mg/日から 10 mg/隔日に減量したが、4日前から尿の泡立ちが強くなってきたため受診した。
体重 54 kg。脈拍 76/分、整。血圧 120/60 mmHg。両下腿から足背に軽度の圧痕性浮腫を認める。
尿所見:蛋白 3+、潜血 (-)、沈渣に卵円形脂肪体を認める。血液生化学所見:アルブミン 3.5 g/dL、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、総コレステロール 290 mg/dL。
対応として適切なのはどれか。
a. 再度の腎生検
b. 現在の治療を継続
c. リツキシマブ投与
d. アルブミン製剤投与
e. 副腎皮質ステロイド増量
ネフローゼ症候群(微小変化群)の症例である。ステロイド現用により増悪してきているため、再度ステロイドを増量する必要がある。