問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
77 歳の男性。発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。10 日前から 38 ℃前後の発熱があった。非ステロイド性抗炎症薬を内服したが全身倦怠感が増悪したため受診した。
意識は清明。体温 39.1 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 102/48 mmHg。呼吸数 14/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めないが、右季肋部に叩打痛を認める。
尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、潜血 (-)。血液所見:赤血球 311 万、Hb 9.9 g/dL、白血球 23,100、血小板 11 万。血液生化学所見:アルブミン 2.8 g/dL、AST 104 U/L、ALT 78 U/L、LD 263 U/L (基準 176〜353)、ALP 786 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 94 U/L (基準 8〜50)、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 1.2 mg/dL。CRP 31 mg/dL。腹部造影 CTを別に示す。
適切な治療はどれか。2つ選べ。
a. 肝切除
b. 抗菌薬投与
c. 経皮的ドレナージ
d. ラジオ波焼灼療法
e. 内視鏡的胆管ドレナージ
肝膿瘍の症例である。
感染であるためドレナージ+抗生剤加療。