問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
47歳の男性。胸部絞扼感を主訴に来院した。高血圧症、脂質異常症で自宅近くの診療所に通院中であった。本日午前7時に下顎に放散する胸部絞扼感を突然自覚し、症状が軽減しないため 15 分後にタクシーで来院した。
意識は清明。脈拍 80/分、整。血圧 156/80 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98 % (room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 501 万、Hb 15.1 g/dL、白血球 12,000、血小板 22 万。
血液生化学所見:AST 40 U/L、ALT 28 U/L、LD 178 U/L (基準 176〜353)、CK 100 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、総コレステロール 212 mg/dL、トリグリセリド 168 mg/dL、HDL コレステロール 42 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.7 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 1.2 mg/dL。胸部エックス線写真に異常を認めない。心電図を別に示す。来院後、静脈路を確保し、ニトログリセリンを舌下投与した。
次に行うべき対応として適切なのはどれか。
a. 心臓 MRI
b. 電気ショック
c. Holter 心電図
d. 冠動脈造影検査
e. 安静時心筋シンチグラフィ
高血圧と脂質異常症は冠動脈疾患のリスク。急性冠症候群の症例。
心電図:Ⅱ・Ⅲ、aVfのST上昇を認める→下壁梗塞を考える。
一刻も早い血行再建が必要です。