問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
57歳の男性。発熱と倦怠感を主訴に来院した。1か月前に右頸部腫瘤に気付いた。2週間前から38℃台の発熱と倦怠感をきたし、軽快しないため受診した。右頸部に径1.5cm のリンパ節を3個触知する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。
意識は清明。身長 170 cm、体重 68 kg。体温 37.4 ℃。脈拍 100/分、整。血圧 132/90 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98 % (room air)。
血液所見:赤血球 210 万、Hb 7.4 g/dL、Ht 23 %、白血球 16,000 (異常細胞 60 %)、血小板 万。骨髄血塗抹 May-Giemsa 染色標本を別に示す。骨髄細胞の染色体分析では正常男性核型であった。異常細胞のペルオキシダーゼ反応は陰性。表面マーカー解析では CD 19 陽性、CD 20 陰性、CD 33 陰性、TdT(terminal deoxynucleotidyl transferase)陽性であった。
診断はどれか。
a. 急性骨髄性白血病
b. 急性リンパ性白血病
c. 慢性骨髄性白血病
d. 慢性リンパ性白血病
e. 成人 T 細胞白血病
急性リンパ性白血病の症例