83歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。高血圧症と骨粗鬆症で自宅近くの診療所に通院し、サイアザイド系利尿薬と経口活性型ビタミン D3 製剤を処方されていた。1か月前から腰痛が出現したため NSAIDs を処方され服用していたが、座位や歩行で 痛が悪化するため、日中も臥床していることが多かった。2週間前から食欲がなく、食事は少量ずつ1日2食で、水分摂取も小さな湯呑茶碗でお茶を1日 2〜3 杯飲む程度だった。3日前から全身倦怠感が出現し、次第に悪化したため受診した。4日前から排便がないが、排尿回数は日中5回、夜間2回で変化はなかった。

意識は清明。身長 152 cm、体重 41 kg (1か月前 45 kg)。体温 36.2 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 152/86 mmHg。

尿所見:比重 1.008、蛋白 (±) 、糖 (-)、潜血 1+、沈渣は赤血球 1〜4 /HPF、白血球 1〜4 /HPF、細菌 (±) 。血液所見:赤血球 450 万、Hb 15.2 g/dL、Ht 45 %、白血球 6,800、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、アルブミン 3.9 g/dL、AST 22 U/L、ALT 18 U/L、LD 250 U/L (基準 176〜353)、CK 152 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 52 mg/dL、クレアチニン 2.8 mg/dL、eGFR 13 mL/分/1.73 m2、Na 135 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.1 mg/dL。

腎機能障害の原因として考えられるのはどれか。3つ選べ。

a. 脱水

b. NSAIDs

c. 尿路感染症

d. 横紋筋融解症

e. 高カルシウム血症

解答を見る
問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)