問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
2か月の乳児。新生児聴覚スクリーニングで精密検査が必要となり、両親とともに来院した。家族の呼びかけや周囲の音への反応はほとんどない。
身長・体重は月齢相当である。外耳道と鼓膜とに異常を認めない。側頭骨CTでは中耳・内耳に異常を認めない。聴性脳幹反応〈ABR〉は両耳とも無反応である。耳音響放射〈OAE〉では、両耳で低中音部に残存聴力が確認された。
医師から両親への説明として適切なのはどれか。
a. 「機能性難聴です」
b. 「補聴器装用を開始しましょう」
c. 「副腎皮質ステロイドで治療します」
d. 「人工内耳埋込み術をすぐに予定します」
e. 「1歳6か月児健康診査まで様子をみてください」
a 機能性難聴では聴性脳幹反応が正常。
b 正しい
c 後天性の場合、ステロイドが良い適応となる。
d 適応年齢は原則1歳以上(体重8kg以上)
e 対応が遅いと言語能力に影響するため早急に対応する。