問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
84 歳の女性。腹痛のため救急車で搬入された。2日前から排便がなく腹痛と腹部膨満感を自覚するようになった。今朝から症状が強くなったため救急車を要請したという。
意識は清明。体温 37.5 ℃。心拍数 98/分、整。血圧 148/94 mmHg。呼吸数 22/分。SpO₂ 97 %(鼻カニューラ3L/分酸素投与下) 。腹部は膨隆し腸雑音はやや亢進し、打診で鼓音を認める。左腹部に圧痛を認めるが反跳痛はない。腹部エックス線写真を別に示す。
まず行うべき対応はどれか。
a. 降圧薬投与
b. イレウス管留置
c. 内視鏡的整復術
d. グリセリン浣腸
e. 抗コリン薬投与
S状結腸軸捻転症の症例
内視鏡が通過可能で粘膜壊死が認められなかった場合、内視鏡による整復術を行う。内視鏡が通過できない場合、内視鏡による整復治療が不成功だった場合は緊急開腹手術となる。