問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
58 歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。3か月前から下腹部膨隆を自覚し、衣服がきつくなった。30 歳時にチョコレート囊胞と診断された。50 歳で閉経。
内診で、左付属器領域に 10 cm の可動性のない腫瘤を触知する。
血液所見:赤血球360 万、Hb 10.1 g/dL、Ht 32 %、白血球 6,800、血小板 26 万。血液生化学所見:CEA 3.8 ng/mL (基準 5 以 下)、CA19-9 38 U/mL (基準 37 以下)、CA125 280U/mL(基準 35 以下)。子宮頸部と内膜の細胞診は陰性。上部および下部消化管内視鏡検査で異常を認めなかった。
手術のため入院し開腹したところ、左付属器に腫瘤を認めた。腹水はなく、腹腔洗浄細胞診は陰性であった。腫瘤と腸管との癒着はなかった。腹膜播種はなく、大網やリンパ節に異常を認めなかった。左卵巣を切除して迅速病理診断で明細胞癌と診断された。
左付属器、子宮および大網に加えて切除すべきなのはどれか。
a. 腟壁
b. 膀胱
c. S 状結腸
d. 右付属器
e. 腸間膜リンパ節
卵巣がんであるので付属器切除も行う。