30 歳の男性。貧血の精査のため来院した。昨年の健康診断では異常を指摘されなかったが、2週前から労作時息切れが出現したため自宅近くの診療所を受診したところ、貧血を指摘され精査のため紹介されて受診した。

脈拍 88/分、整。血圧122/78 mmHg。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄染を認めない。胸骨右縁第肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

血液所見:赤血球 302 万、Hb 8.3 g/dL、Ht 28%、白血球 2,400(桿状核好中球3%、分葉核好中球 28 %、好酸球2 %、単球 5 %、リンパ球 62 %)、血小板5万。血液生化学所見:総蛋白 7.4 g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 0.5 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 27 U/L、ALT 19 U/L、LD 948 U/L(基準 120〜245)、ALP 476 U/L(基準 115〜359)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、尿酸 8.5 mg/dL、Na 140 mEq/L、K4.0 mEq/L、Cl 102 mEq/L、Ca 10.0 mg/dL、P 6.0 mg/dL。CRP 0.8 mg/dL。骨髄血塗抹 May-Giemsa 染色標本を別に示す。異常細胞のペルオキシダーゼ染色は陰性で、表面マーカー解析では CD 10 と CD 19 が陽性で、CD 20 とCD 33 は陰性であった。染色体検査で Philadelphia 染色体が検出された。

この患者に投与すべき薬剤はどれか。

a. イマチニブ

b. ゲフィチニブ

c. リツキシマブ

d. ブレオマイシン

e. 全トランス型レチノイン酸

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)