問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
71歳の男性。尿失禁を主訴に来院した。2年前から夜間に尿意で目が覚めてトイレに行くようになり、3か月前からその頻度が増えてきた。高血圧症で内服治療中である。
身長 172 cm、体重 69 kg。体温 36.4 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 140/80 mmHg。 下腹部に弾性軟の腫瘤を触知する。直腸診で4cm大の弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。腹部超音波検査で膀胱内に大量の尿貯留を認める。
治療として適切なのはどれか。
a. 導尿
b. 尿道プジ一
c. 利尿薬投与
d. β₃刺激薬投与
e. 抗コリン薬投与
尿失禁と夜間の頻尿、下腹部に腫瘍が触知され、直腸診で前立腺の増大が確認されており、腹部超音波検査で膀胱内に大量の尿貯留が認められる。
これらの情報から、前立腺肥大が尿閉を引き起こしている可能性が高いと推測さる。このような場合、治療の目的は尿流を改善し、膀胱内の尿貯留を解消することである。