問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
我が国での成人心臓移植について正しいのはどれか。
a. 10年生存率は約10%である。
b. 年間約1,000例行われている。
c. 原疾患は拡張型心筋症が最も多い。
d. 原則として術後に免疫抑制薬は用いられない。
e. 2015年以降の平均待機期間は1年以下である。
a. 10年生存率は約10%である。
心臓移植の10年生存率は約10%ではなく、実際にはもっと高い。国内外のデータによると、心臓移植後の10年生存率は50%以上であることが多い。したがって、この選択肢は誤りである。
b. 年間約1,000例行われている。
我が国では年間に行われる成人心臓移植の数は非常に限られており、約1,000例ではなく、数十例程度である。したがって、この選択肢は誤りである。
c. 原疾患は拡張型心筋症が最も多い。
成人心臓移植の原疾患としては、拡張型心筋症が最も多い。したがって、この選択肢は正しい。
d. 原則として術後に免疫抑制薬は用いられない。
心臓移植後は拒絶反応を防ぐために、免疫抑制薬の使用が原則である。したがって、この選択肢は誤りである。
e. 2015年以降の平均待機期間は1年以下である。
我が国では臓器提供が少ないため、心臓移植の待機期間は長く、1年以下ではない。したがって、この選択肢は誤りである。