問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
40歳の男性。字がうまく書けないことを主訴に来院した。3年前から書類にサインするときに字がうまく書けないことに気づいていたが、徐々に仕事にも支障をきたすようになった。それ以外の日常生活に支障はない。
神経診察では筋トーヌスは正常で不随意運動はみられない。四肢筋力低下はなく腱反射は正常である。協調運動障害と感覚障害は認めない。鉛筆で字を書くように指示すると、示指と中指の近位指節間関節と遠位指節間関節が強く屈曲し、歪んだ形の字となった。
考えられるのはどれか。
a. 書痙
b. 痙性斜頸
c. 本態性振戦
d. ジスキネジア
e. アステリキシス
書痙は、特定の手の動作や姿勢、特に書くといった細かな手の動作を行う際に生じる、手や腕の筋肉に異常な緊張や動きの困難を伴う障害。
これは運動障害の一種であり、特に焦点性ジストニアの一形態とされています。書痙は、手書きを行う際にのみ症状が現れることが多いのが特徴。