28歳の女性。肉眼的血尿を主訴に来院した。19歳時の大学入学時健診ではじめて血尿を指摘されたがそのままにしていた。3日前から尿が赤黒いことに気づいて経過観察していたが、次第に色が濃くなったので受診した。母親が3年前にくも膜下出血で死亡した。兄、母方の祖母と叔父が透析を受けており、いずれも成人になってから腎障害が出現したという。

表在リンパ節は触知しない。胸部に異常を認めない。両側の側腹部に腫瘤を触れる。

尿所見:蛋白(−)、潜血3+、尿沈渣に赤血球 100以上/HPF、白血球 0~2/HPF、円柱は認めない。血液生化学所見:総蛋白 6.0 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、尿素窒素 30 mg/dL、クレアチニン2.5mg/dL、eGFR 20.2 mL/分/1.73m2、Na 142 mEq/L、K 5.1 mEq/L、Cl 101 mEq/L。腹部MRIでは両側の腎臓が腫大し、嚢胞が多発している。患者には17歳の弟がいるが、症状はなく健診も受けたことがない。

本症を患者の弟が有する確率はどれか。

a. 0%

b. 25%

c. 33%

d. 50%

e. 1

問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)