32歳の女性。下痢と腹痛を主訴に来院した。半年前から週に2日程度、外出を予定した日に下痢が出現するようになり、3か月前から下痢の時に腹痛を伴うようになったため受診した。症状のない日の便の形状は普通便で、排便回数は1回/日であるが、症状のある日は水様便で、排便回数は5回/日である。排便により症状は一時的に軽快する。家族歴と既往歴に特記すべきことはない。

身長160cm、体重48kg(半年間で体重増減なし)。体温36.4℃。眼瞼結膜に貧血を認めない。腹部は平坦で、下腹部正中に軽度の圧痛を認めるが反跳痛を認めない。全身の関節に痛みはない。下部消化管内視鏡検査を施行したが異常所見を認めなかった。腹痛に対して抗コリン薬を投与したが症状は変わらなかった。

この患者の治療で適切でないのはどれか。

a. 止痢薬投与

b. 食物繊維摂取

c. 麻薬性鎮痛薬投与

d. プロバイオティクス摂取

e. セロトニン5-HT3受容体拮抗薬投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)