問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
67 歳の女性。倦怠感を主訴に来院した。約 1 か月前から疲れやすくなり、症状が改善しないため受診した。
意識は清明。身長 149 cm、体重 45 kg。脈拍 72/分、整。血圧 144/88 mmHg。心尖部に Levine 3/6 の拡張期雑音を聴取し、心雑音の強さは体位で変化した。呼吸音に異常を認めない。
心エコー検査で左室駆出率は正常範囲であったが、左房内に可動性のある腫瘤を認め、拡張期には腫瘤が僧帽弁口を塞ぐような所見を認めた。胸部造影 CTを別に示す。入院後、腫瘤摘除術が施行された。術中の写真を別に示す。
この患者の入院時に認められる所見で可能性が低いのはどれか。
手術画像。クリックで拡大します。
a. 発熱
b. 息切れ
c. 関節痛
d. 体重減少
e. 頸静脈の虚脱
左房粘液腫の症状として、心不全症状、血栓症、全身の炎症が特徴的である。
心不全に至ったケースでは頸静脈が怒張傾向となる。