問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
51 歳の女性。倦怠感を主訴に来院した。 1 週間前から倦怠感が出現し、昨日から尿の色が濃くなったため受診した。飲酒は機会飲酒。常用している薬剤や健康食品はない。
意識は清明。眼險結膜に貧血を認めない。眼球結膜に軽度黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛を認めない。
血液所見:赤血球325 万、Hb 12.0 g/dL、Ht 32 %、白血球 5,300、血小板 27 万、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)。 血液生化学所見: 総蛋白 8.4 g/dL、 アルブミン 4.2 g/dL、IgG 3,131 mg/dL(基準 960~1,960)、IgM 112 mg/dL(基準 65~350)、総ビリルビン 4.8 mg/dL、 直接ビリルビン 3.2 mg/dL、AST 712 U/L、ALT 824 U/L、ALP 132 U/L(基準 38~113)、γ-GT 342 U/L(基準 8 ~50)。免疫血清学所見:IgM型 HA 抗体陰性、HBs 抗原陰性、IgM 型 HBc 抗体陰性、HCV 抗体陰性、HCV-RNA 陰性、抗核抗体 640 倍(基準 20 以下)、抗ミトコンドリア抗体陰性。肝生検組織で門脈域の拡大と同部位に形質細胞を含む単核球細胞浸潤を認める。
治療薬として適切なのはどれか。
a. グリチルリチン
b. インターフェロン
c. 核酸アナログ製剤
d. 副腎皮質ステロイド
e. 直接作用型抗ウイルス薬〈direct acting antivirals〉