21 歳の男性。胸背部痛のため救急車で搬入された。シャワー中に意識消失した。数分で意識は回復したが、胸背部痛が出現したため救急車を要請した。小児期に水晶体偏位と診断され眼鏡を使用している。大学のトライアスロンの選手。家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長 186 cm、体重 65 kg。体温 36.3 ℃。心拍数 64/分、整。血圧 132/50 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 100 %(マスク 5 L/分 酸素投与下)。心音は胸骨左縁第 4 肋間に Levine 2/6 の拡張期雑音を聴取する。四肢が長い。心電図に異常を認めない。胸部造影 CT の水平断像、冠状断像および矢状断像を別に示す。緊急で手術し、術後 10 日目で退院予定になった。

患者への説明で誤っているのはどれか。

a. 「β 遮断薬を服用していただきます」

b. 「トライアスロンを続けても大丈夫です」

c. 「定期的な大動脈の画像検査が必要です」

d. 「胸痛や背部痛があったら受診してください」

e. 「遺伝カウンセリングを受けることができます」

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)