キャラ愛称:オリゼー

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プロフィール

菊花を冠して錫杖しゃくじょうを手にした醸造の達人。

酵母や乳酸菌と協力して日本酒、醤油、味噌などを作る。蔵元の杜氏とうじのような職人魂を秘め、豪快で情に厚いおっさん系女子。同属のA.fumigatus(肺炎などを引き起こす病原菌)とは姉妹。


ニホンコウジカビ

学名:Aspergillus oryzae
通称:麹菌、ニホンコウジカビ
分類:菌糸状真菌

POINT

・酒、醤油、味噌などの醸造に必須の様々な酵素を産生するため、「酵素の宝庫」と言われている。

・日本醸造協会によって、日本の国菌に指定されている

01麹菌とは

麹菌は、日本の発酵産業に欠かすことのできない菌である。酒、醤油、味噌などの醸造に必須の様々な酵素を産生するため、「酵素の宝庫」と言われている。


一島英治氏は、日本醸造協会誌99巻2号で麹菌を日本の「国菌(こっきん)」に指定することを提案。2006年10月12日、本醸造学会でこの提案が承認された。

日本酒の麹だけでなく、味噌や醤油などの日本の伝統的な食品の麹を作るのにも重要であることから、麹菌を日本醸造学会誌で「国菌」と提案。2006年に開催された日本醸造学会で、この提案が承認された。


02生物学的特徴

遺伝子配列

麹菌のゲノムは、2005年末に財団法人製品評価技術基盤機構(JPETF)[10]によって公開された[9]。8本の染色体は、総計約3,700万アルカリ塩基対で構成され、12,000個の遺伝子が予測されている。 アスペルギルス・イネのゲノムは、他の2種のアスペルギルス(遺伝子モデル生物であるアスペルギルス・ニデュランスと、病原性真菌であるアスペルギルス・フミガータス)のゲノムよりも約3分の1大きい[11]。 Aspergillus fumigatusでは、さらに多くの遺伝子が二次代謝に関連していると予測されている。 この配列された菌株は「RIB40」または「ATCC 42149」と呼ばれ、産業界でも使用されている野生型の菌株です。

麹菌の有用性に着目し、2005年、国内の産学官連携チームにより、麹菌の全ゲノムが解析された。その結果、食品の発酵などに関わる様々な酵素をコードする遺伝子がみつかり、今後のさらなる産業利用が期待されている。

日本の伝統と未来を担う麹菌ちゃんに想いを馳せ、今夜は日本酒を味わってはどうだろう。但し、飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要だ。

顕微鏡下のA.oryzae

酵素の宝庫

多種多様の酵素を操る能力。酵素の力で日本酒・醤油・味噌を醸造する。

日本酒と桜

参考文献

1. 公益財団法人日本醸造協会, 1986, 東京

2. Machida M, et al. 2005. Genome sequencing and analysis of Aspergillus oryzae. Nature 438: 1157-1161.

3. Matsushima K, et al. 2001. Pre-termination in aflR of Aspergillus sojae inhibits aflatoxin biosynthesis. Appl Microbiol Biotechnol 55: 585-589.

4. Matsushima K, et al. 2001. Absence of aflatoxin biosynthesis in koji mold ( Aspergillus sojae). Appl Microbiol Biotechnol 55: 771-776.

5. Takahashi T, et al. 2002. Nonfunctionality of Aspergillus sojae aflR in a strain of Aspergillus parasiticus with a disrupted aflR gene. Appl Environ Microbiol 68: 3737-3743.

6. Sato A, et al. 2011. Draft genome sequencing and comparative analysis of Aspergillus sojae NBRC 4239. DNA Res 18: 165-176.

7. Tokuoka M, et al. 2008. Identification of a novel polyketide synthase-nonribosomal peptide synthetase (PKS-NRPS) gene required for the biosynthesis of cyclopiazonic acid in Aspergillus oryzae. Fungal Genet Biol. 45: 1608-1615.