75歳の女性。物忘れを主訴に夫に連れられて来院した。2年前から物忘れが目立つようになり、何度も同じことを尋ねるようになった。買い物で同じ物を買ってくることがあり、そのことを指摘しても適当にはぐらかすようになった。また料理も簡単なものしか作らなくなり、心配した夫に連れられて受診した。大学卒業後、市役所に勤務し、60歳で定年退職した。その後、地域の婦人会活動を活発に行っていたが、最近は外出することがほとんどない。既往歴に特記すべきことはない。

診察時、疎通性は比較的良好であるが、時間と場所の見当識障害がみられる。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは11点(30点満点)である。その他の神経学的所見に異常を認めない。血液生化学所見に異常を認めない。頭部MRIで両側海馬の萎縮を認める。

この患者に対する治療薬として適切なのはどれか。

a. ドパミン受容体遮断薬

b. アセチルコリン受容体遮断薬

c. アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

d. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

e. セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)