全生活史健忘患者が保持している記憶はどれか。 2つ選べ。
外見は40歳前後にみえる男性。路上にうずくまっているところを警察官に保護されたが、「自分が誰だかわからない」と言うため、警察官に伴われて来院した。身元がわかるような所持品はなかった。会話は可能で、関西弁を話したが、関西地方に住んだ記憶はないという。
65歳の女性。健忘を主訴に家族に連れられて来院した。3か月前から家に引きこもりがちになり、倦怠感と不安とを訴えて外出しようとしなくなった。2週前からぼんやりして物忘れが目立つようになり、動作も緩慢になった。昨夜、誰もいないのに誰かを激しく叱っているところを家族が目撃した。
84歳の男性。物忘れを主訴に家族に連れられて来院した。約半年前から物忘れを自覚していた。最近になり認知症の妻の服薬内容をたびたび間違え、十分に管理できなくなっており、心配した隣町に住む長女に連れられて妻とともに受診した。普段は妻と2人暮らしで、妻の定期受診の際は診療所まで車を運転している。この患者の認知機能を評価するのに適切な問いかけはどれか。
55歳の男性。夜中の記憶がないことを主訴に妻とともに来院した。数年前に不眠に対して睡眠薬を処方されて以来、継続して服用し、仕事を続けていた。経営していたレストランに2週前に泥棒が入り、ひどく落ち込んでいる様子であった。昨日、午後7時に帰宅して夕食を済ませ、午後11時に就床した。
72 歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。10 日前から 38 ℃台の発熱が出現し、4 日前から健忘が目立つようになった。今朝、呼びかけに反応が悪いため家族が救急車を要請した。60 歳台から糖尿病で内服治療中である。
75歳の女性。物忘れを主訴に夫に連れられて来院した。2年前から物忘れが目立つようになり、何度も同じことを尋ねるようになった。買い物で同じ物を買ってくることがあり、そのことを指摘しても適当にはぐらかすようになった。また料理も簡単なものしか作らなくなり、心配した夫に連れられて受診した。
56歳の男性。4か月前から物忘れが目立ち始め、2か月前から怒りっぽくなったため心配した家人に連れられて受診した。
77 歳の男性。全身倦怠感と物忘れを主訴に来院した。現病歴:高血圧症で内服加療中。半年前から食後の全身倦怠感が出現した。またほぼ同時期からときどき物を置いた場所がわからなくなるようになった。その後も症状は持続し、不安、不眠および食欲低下が出現し、3か月で2kg の体重減少があった。立ち上がり時や歩行時にふらつきの自覚はなかったという。
76歳の女性。物忘れが多くなり、何度も同じことを尋ねるようになったことを心配した家族に付き添われて来院した。約1年前から軽度の意欲低下がみられていたが、ここ3か月間は食事を作るものの同じ献立を何日も連続して作るようになってきたという。