問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
25歳の男性。バイクを運転中に自動車と接触して転倒し、後続の自動車にひかれ救急車で搬入された。
来院時、脈拍120/分、整。血圧110/80mmHg。呼吸数32/分。SpO2 89%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。胸郭は奇異性運動を起こし努力呼吸である。胸部エックス線写真で右肋骨の多発骨折と肺挫傷とを認めるが、血胸や気胸はみられなかった。
直ちに行うべきなのはどれか。
a. 胸腔穿刺
b. 抗菌薬投与
c. 挿管陽圧換気
d. バストバンド固定
e. 副腎皮質ステロイド全身投与
外傷による肋骨骨折と肺挫傷。
a 血胸や気胸を認めないので現時点では胸腔穿刺の必要はない。
b 直ちに必要なことではない。
c 呼吸状態が不良である、気管挿管が必要である。
d バストバンドは肋骨骨折の保存療法に使用するが、いまではない。
e 直ちに必要なことではない。