問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
78歳の女性。右片麻痺と意識障害のため救急車で搬入された。昨晩はいつもどおりに就寝したが、本日の朝、意識がなくなっているのを夫が発見し、救急車を要請した。これまでに脂質異常症を指摘されたことがある。
意識レベルはJCSⅢ-100。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧156/92mmHg。呼吸数16/分。右片麻痺を認める。
血液所見:赤血球410万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球6,600、血小板31万。血糖96mg/dL。CRP 0.2mg/dL。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。頭部単純CTを別に示す。開頭手術を行い血腫を除去した。術中採取した血腫周囲の脳組織のCongo-Red染色標本を別に示す。
脳出血の原因で最も考えられるのはどれか。
a. 高血圧症
b. 脳動脈瘤
c. 脳動静脈奇形
d. 抗リン脂質抗体症候群
e. アミロイドアンギオパチー
Congo-Red染色の病理組織において、血管にアミロイド沈着を認めている。