問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
69 歳の女性。呼吸困難と胸痛とを主訴に来院した。1時間前から突然、呼吸困難と胸痛が出現した。様子をみていたが、30分以上症状が軽快しないため来院した。既往歴に特記すべきことはない。自宅の修繕のため、ここ数日は夜間に自家用車の中で睡眠をとっていた。
身長 155 cm、体重 76 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 110/80 mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 91 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部に圧痛を認めない。症状の呼吸性変動を認めない。
胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図で洞性頻脈を認めるが他に異常を認めない。
この患者の診断に有用性が低いのはどれか。
a. DLco
b. 心エコー
c. D ダイマー
d. 胸部造影 CT
e. 動脈血ガス分析
肺拡散能力測定試験(DLCO)は拡散障害を反映する。
よって肺血栓塞栓症では有用性は低い。