78歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。
現病歴:7月下旬、快晴の日の午前10時ごろ自宅の暑い居間でぐったりしていたのをデイサービスの職員が発見し、救急車を要請した。
既往歴:不明。
生活歴(職員からの情報):冷房装置のない一戸建てで独居。喫煙歴と飲酒歴はない。
家族歴:不明。
現症:意識レベルは JCSⅢ-100。身長 145 cm(推定)、体重 40 kg(推定)。直腸温 42.0 ℃。心拍数 116/分、整。血圧 84/46 mmHg。呼吸数 24/分で浅い。SpO2 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分 酸素投与下)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。瞳孔径は両側3mm で、対光反射は両側遅延。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球 510 万、Hb 17.5 g/dL、Ht 49 %、白血球 12,400 (桿状核好中球 12 %、分葉核好中球 43 %、好酸球2%、単球6%、リンパ球 37 %)、 血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 8.5 g/dL、アルブミン 4.2 g/dL、総ビリルビン 1.2 mg/dL、AST 43 U/L、ALT 32 U/L、LD 251 U/L(基準 176〜353)、尿素窒素 23 mg/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL。
この患者への対応として適切でないのはどれか。
a. 呼吸心拍監視
b. 体表クーリング
c. 動脈血ガス分析
d. 解熱剤の経肛門投与
e. 尿道カテーテル留置
高齢者の熱中症。
熱中症に解熱剤は無効。
この患者に輸液を開始しようとしたが、体表に十分な太さの静脈がなく末梢静脈路を確保できなかった。
今後の治療のために確保すべき静脈路はどれか。
a. 腋窩静脈
b. 膝窩静脈
c. 頭皮静脈
d. 内頸静脈
e. 大伏在静脈
中心静脈カテーテルの挿入部位を問う。
代表的な部位は内頸静脈,鎖骨下静脈,大腿静脈。